日本酒厂-静冈Shizuoka
2021年06月25日

蒸溜所

The Distillery

オクシズで育ったヒノキをふんだんに用い、自然と一体になった蒸溜所。静岡の風土に根ざした、自然と調和するウイスキー造りを目指しています。静岡市産の杉材の発酵槽や、地元の薪の火で蒸溜するポットスチルなど、静岡蒸溜所ならではのウイスキー造りを体感できる見学ツアーを随時開催しています。

建築

Architecture

静岡蒸溜所の建物は、日本の美と西洋文化の融合をテーマにデザインされています。
静岡在住のアメリカ人建築家デレック・バストン氏とのコラボレーションにより、内外装に静岡の木材を多用した唯一無二のウイスキー蒸溜所が建設されました。

立地

Area

静岡蒸溜所は、静岡県静岡市のオクシズ(奥静岡エリア)の、玉川と呼ばれる地区にあります。静岡市を流れる一級河川 安倍川の支流である、安倍中河内川のほとりに建っています。標高は200m前後で、周囲は400m級の山に囲まれ、市街地より気温は常に2〜3度は低く、天候も異なることが多いです。

試飲室

Tasting Room

蒸溜所内に設けられた試飲室からは、蒸留機がご覧いただけます。ヒノキの一枚板のカウンター、日本の伝統美を昇華させたバックバーなど、静岡蒸溜所ならではの空間があります。ポットスチルで蒸留されたウイスキーの原酒が流れ出る光景を眺めながら、どうぞグラスを傾けてください。
こちらでは有料で、静岡蒸溜所の原酒や、ガイアフローが輸入する世界のウイスキーがお飲みいただけます。また、輸入ウイスキーがボトルで購入いただけます。試飲室への入場は、見学ツアーにご参加の方だけに限らせていただきます。

製造工程

Our Production

麦芽の粉砕

原料のモルト(大麦麦芽)の産地はさまざま。本場スコットランドをはじめ、ドイツ、カナダ、そしてもちろん日本国内で栽培されたモルトも。それぞれの特性・特徴を生かして、使い分けをしています。これらのモルトは、蒸溜所内のサイロに貯蔵されています。
ガイアフロー静岡蒸溜所の1仕込みは、1トン。サイロから取り出されたモルトは、異物を取り除かれた後、モルトミル(麦芽粉砕機)で粉砕されます。この英国製モルトミルは、軽井沢ウイスキー蒸留所から移設された、歴史あるモルトミルです。

糖化

粉砕された麦芽は、高温のお湯と混ぜ合わされてマッシュタン(糖化槽)に投入されます。お湯が麦芽の持つ糖化酵素を活性化させ、麦芽のデンプンを糖分に変えます。糖分が溶け出したお湯のことをウォート(麦汁)と言い、糖度は12度前後になります。

発酵

ウォートを、ウォッシュバック(発酵槽)に移します。ここで、酵母を添加し、アルコール発酵を促します。およそ48時間で7%以上のアルコールが生成され、その後は乳酸菌による発酵が24時間以上続きます。発酵した液体を、ウォッシュ(もろみ)といいます。
ガイアフロー静岡蒸溜所では、地元産の杉で造られたウォッシュバックを使用しています。この土地ならではの味わいを醸し出すために、欠かせないものです。

蒸留

ウイスキー造りの中でも、ひときわ目を引くのが蒸留の工程。
ポットスチル(蒸留機)を使い、ウォッシュを2回蒸留します。蒸留することで、ウォッシュに含まれるアルコール分を抽出し、凝縮するのです。1回目の蒸留を初留、2回目の蒸留を再留といい、蒸留されたばかりの液体をニューポット(ウイスキーの原酒)と呼びます。この段階では、まだ無色透明で荒々しい味わいです。
静岡蒸溜所では、珍しい3基の蒸留機があります。軽井沢ウイスキー蒸留所から移設した初留釜と、スコットランド製の薪の直火による初留釜、そして同じくスコットランド製の再留釜。これらを駆使して、数種類の違ったタイプのニューポットを造っています。

熟成

蒸留によって産み出されたニューポットを、木製の樽に入れて何年間も熟成させます。ウイスキー造りで、もっとも時間がかかる工程です。
無色透明で荒々しい味わいだったニューポットは、樽に入れて寝かせることで、琥珀色でまろやか、かつ複雑な味わいを持つウイスキーに生まれ変わるのです。

見学ツアー

Tours